マンハッタン・トランスファー "Boy From New York City"
この曲はマンハッタン・トランスファーの1981年のアルバム"Mecca for Moderns"のA面2曲目。レーベルはアトランティックで、キャピトルでデビューした彼らをアトランティックのアーメット・アーティガンが見初めてそれ以降はアトランティックからレコードを出す事になります。
オリジナルはアドリブス。アドリブス・バーションはブルーキャット・レコードから発売されていてこのレーベルはリーバー&ストーラーが作ったレッドバード・レコードのサブレーベルですね。だからアドリブスの"Boy From New York City"のプロデュースもリーバー&ストーラーがやってます。
リーバー&ストーラーとアトランティックの関係はほんとに深くて長い話なので今回はレッドバードとの因縁をちょこっとだけ。
アドリブスがヒットを飛ばした頃、リーバー&ストーラーはレッドバード・レコードをアトランティックに売ろうとします。この頃レッドバードはイケイケでアトランティックは一番元気が無かった時期です。でもこれはオーナー&ファウンダーであるアーメット・アーティガンがこの買収を乗っ取りだと思って激怒し実現はしなかったんですけどね。
結局あてが外れたリーバー&ストーラーは会社の権利をただ同然で共同経営者のジョージ・ゴールドナーに売って手を引いてしまいます。すでにレッドバードはマフィアに乗っ取られたも同然だったのからです。
またアーティガンとリーバー&ストーラーの関係もこれで破綻してしまったそうです。リーバー&ストーラーにとってアトランティックもアーティガンも特別な存在だったはずですから悲しいですね。
そのリーバー&ストーラーが手がけた"Boy From New York City"をアーティガンが引っ張ってきたマンハッタン・トランスファーが歌って大ヒットしたってのはなんか因縁を感じます。多少の印税はリーバー&ストーラーも貰ってるはずですしね。
ちなみに"Boy From New York City"のアンサーソング"The Girl from New York City"をビーチボーイズが歌ってます。